活動情報

2025年8月豪雨災害救援ニュース No.11

 
 今回の天草での活動は、2チームに分れて天草のTさんと上天草のIさんの家の片づけなどのボランティアに入った。私は、Tさん宅に入ったが、まず狭い台所から片づけようと見た途端、「うゎー、大きな冷蔵庫!こんなん、運ばれんで・・・」と意気消沈。しかし、そんなこと言うとれんなと一念発起し、学生ボランティアと二人で動かし始めた。台所には、他に大きな食器棚が二つ。流し台はかなり古いもので、解体して処分となった。
 冷蔵庫は再使用とのことで、別の部屋に移動させ、食器類など廃棄しないものも別の部屋に仮置きし、何もなくなった台所は、床を剥がし、根太に含んでいる水分チェツクをし、床下に入った流水による湿気を完全に乾燥するまでそのままにして台所の作業は終えた。その後、台所と廊下を挟んでおばあちゃんが休んでいるところに埃や匂いが行かないように、障子の代わりに養生テープでビニールを貼って完了だ。
 作業が終わった後に地元ボランティアのTさんが来られ、「ボランティアって、こんなことまで気を配るんだ‼」と驚いていた。ベテランボランティアは「おばあちゃんが、気になって僕らが帰ったあとに覗けるように」と、一部養生テープを貼らずに、指で少し持ち上げると見えるように気遣っていたのですよとTさんに告げると、涙の混じった汗をタオルで拭っていた。
 食器棚には、これでもか、これでもかというほど食器が出てきた。Tさんは「お母さんは戦争を経験しているから、もったいなくて物を捨てられないの」と話されていたが、91歳のお母さんは「こんなに物を捨てちゃって、ね…」とボランティアに呟かれていたと。
 でも娘さんのTさんは、全部ナイロン袋に入れて、台所がリフォームされたあとに、元に戻そうと整理をされていた。お母さんは、これも捨てるんだろうと勘違いされたのだろう。  
災害の後によく使われるのは“災害ゴミ”という言葉だ。決してゴミじゃないのだ。これまでの人生の歩みが刻まれているだけに、かけがえのない思い出の詰まった品物を片付けながら、こうしてスタッフが家主さんの思い出を聞かせて貰うのもボランティアの仕事なんだと痛感させられた一時だった。
 こうした貴重な体験をできたのも、地元ボランティアTさんの素晴らしいコーディネーションがあったからだ。「一人ボラセン」あるいは「もう一つのボラセン」がなし得た“技”と学ばせて頂いた。                   (村井雅清)
 
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*備考欄に「2025年8月豪雨」と記載ください。
*私たちの活動は、日本財団「災害発生時の対応と平時の備えに関する活動」助成を頂き活動しています。
 
田中さん家の大きな冷蔵庫_0
田中さん家の瀬戸物類_0
ニュースno11田中宅の台所の養生_0

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投稿日:2025年09月04日