2025年8月豪雨災害救援ニュース No.13
昨日線状降水帯の影響で、熊本県、長崎県などにまた被害を及ぼしたようだ。先日来、本救援ニュースで報告してきた天草市、上天草市も影響があったのではないかと心配だ。まだ、前回の水害から完全に復旧出来ていないところもあるだろうに‥‥。
さて、災害時には社会福祉協議会(以下「社協」という)にボランティアセンター(以下「ボラセン」という)が立ち上がるしくみは一般的になってきた。ただ、直後では被災者が自主的に社協やボラセンに相談をしたり、またボランティアの派遣をお願いできる人は多くないだろう。
もちろんボラセンが立ちがった後は、「お困りごとがあれば遠慮なく申し出てください。またボランティアが必要なら遠慮なく申し出て下さい」という案内が出るので、浸水した床下・床上の泥出しや水に浸かった家具の搬出等でボランティアをお願いする被災者もいるだろう。
でも現実は、社協のボラセンが立ちあがるまでは、被災者からのSOSは気軽に頼める人や平時からお付き合いしている人にまず入る。天草でお世話になったTさんは、「おせっかいなのよ」「こうしてつながればみんなが幸せになるのよ」「喜んでいる顔を見ていたら、こちらも幸せになるのよ」とおっしゃる。災害が起きれば、どこの被災地でもおせっかいが好きなTさんのような方がいる。いわば、どこでも現れる「T」さんのしているおせっかいは、社協のボラセンではなく「もう一つのボラセン」と言えるのではないか。。
そもそも考えてみれば社協というのは、地域の人のために事業を行っているので、地域で率先して「もう一つのボラセン」を担ってくれる人がいるというのは有難いことではないだろうか?あくまでも地域の人たちが主役だと理解すれば、社協は黒子のようなものだろう。
災害救援ボランティアも同じだ。被災者が主役で、ボランティアはあくまでも黒子だ。Tさんは、おせっかいを申し出たものの、「出来ることしかできないが、できることをやるだけ」と割り切っている。出来ないことは社協のボラセンが補えばいい。
でもTさんは、まず被災宅に入ると「クーラーを応急修理して治す」。何故かというと、浸水して電気系統が故障するとクーラーが稼働しない。この猛暑の中で、汗びっしょりになりながら、泥出しや水に浸かった家具の搬出などをしていたら、熱中症になるかも知れない。」という気遣いからなのだ。ほんとうにクーラーが稼働していたので助かったというのが実感だ。
こうして気配りのできる地域の「T」さんはどこにでもいるだろう。そう考えると、災害後のボラセンは必ずしも社協だけでなくてもいいのではないかと気づく。前述したようなおせっかいな「T」さんを「もう一つのボラセンと認知し、社協のボラセンはむしろ地域の「もう一つのボラセン」のサポートに回れば、むしろ復興の段階になれば地域で、“おせっかい”から“おたがいさま”に助け合いの文化が定着するような気がする。つまり、もう一つのボラセンを上手くサポートすることで、地域も、社協もよくなるということだ。余計なお世話か‥‥?
(村井雅清)
■活動支援金の募集を開始しています。
当センターが実施する支援活動への支援金を募集いたします。
いただいたご寄付は災害直後の活動から中長期の復興支援まで、ボランティア活動に使わせていただきます。
ぜひ皆様のご協力をお願い致します。
■郵便振替
口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
■銀行振込
ゆうちょ銀行 一一九支店 当座 名義:ヒサイチNGOキョウドウセンター
*お手数ですが、備考欄に「2025年8月豪雨」と記載ください。
■クレジットカードでもご寄付いただけます。
https://congrant.com/credit/form?project_id=605
*備考欄に「2025年8月豪雨」と記載ください。
*私たちの活動は、日本財団「災害発生時の対応と平時の備えに関する活動」助成を頂き活動しています。