活動情報

令和6年(2024年)能登半島地震救援ニュースNo.138

やさしや足湯隊レポートNo.24
 
 第34次足湯隊の活動報告です♨️今回は2025年8月30日(土)から9月2日(火)の4日間、スタッフ3名とボランティア4名の計7名で活動を行いました。
 8月31日(日)は輪島市の稲屋町第一団地仮設住宅集会所で午前にかき氷カフェを開催、午後に足湯を提供しました。夕方には2007年能登半島地震で被災し、今は災害復興公営住宅に住むFさんのお宅にお邪魔、現在の暮らしについてお話を聞きました。夜は七尾市中島町小牧壮年団OBのKさんと夕食を囲みながら、去年の地震直後からの動きと祭りの重要性などを伺いました。
 9月1日(月)は珠洲市の三崎町第一団地仮設住宅談話室で前日と同じく午前にかき氷カフェを開催、午後に足湯を提供しました。昼過ぎには集まった住民さんと足湯隊で歌を一緒に歌いながら過ごしました。
 この2日間はどちらも30℃を超える真夏日でしたが、仮設住宅の室内の気温は今回訪れた2つの仮設住宅で圧倒的に違いが出ています。木造の稲屋町第一団地仮設住宅集会所は涼しく過ごせる一方、プレハブハウスの三崎町第一団地仮設住宅談話室はクーラーを18℃に設定しても涼しくない状況です。改めてプレハブの遮熱効果が薄いことを実感しました。
 それでも三崎町の80代の住民さんは「寝るときはクーラーはつけない。元いた家でも窓を開ければ風が通るからあんまり使わなかった。自分で電気代は払わないといけないから、クーラーはねえ。」と言います。住宅環境が良くない中で、電気代を気にして暑さを我慢せざるを得ない状況にどこかモヤモヤします。
今回の足湯で聴こえてきた「つぶやき」とボランティアの感想を一部紹介します。
 
◎つぶやき
・やっと電気と水を(自宅に)通せて、ついこの間瓦を直したんよ。(中略)家は半壊。業者に聞いたら、役所から貰えるお金は全部瓦でなくなってしまうって。全然足りんのよ。(稲屋町第一団地仮設住宅・70代・男性)
・家は解体したけど、新しく建てられないし、建てる場所もない(稲屋町第一団地仮設住宅・70代・男性)
・以前より前に進んだ報告をしたいが、実際は何も変わらない(稲屋町第一団地仮設住宅・70代・男性)
・夜寝る時はクーラーつけない。元いた家でも窓を開ければ風が通るからあんまり使わなかった。自分で電気代は払わないといけないから、クーラーはねえ。
子供夫婦、仲良く2人で暮らしてるからあんまり行かないようにしてる。ずっとわがままさせてもらったからね。無理は言わんよ。無理は。お墓にさえ入れてもらえたら、いいんよ。それ以上は望まん。(三崎町第一団地仮設住宅・80代・女性)
・私家では泣いているの。夜は寝れなくて、、寝れないから色んなことを考えてしまって泣いてしまう時があるの。家は解体した。全部潰れた。家は全壊、納屋と土蔵も潰れた。潰れたから大切なものを取り出せんかった。浜の方の畑はハウスで一本ぶどうを作っていた。美味しかったやろうに、それも潰れてしまって。(三崎町第一団地仮設住宅・70代・女性)
・地震が起きて、大きい家から小さい仮設住宅に引っ越してきた。旦那さんと2人暮らしだから、プライベートも無くて去年まで喧嘩ばっかりしてた。今年に入ってから喧嘩も少なくなったけど、仲が悪くなってしまった。(三崎町第一団地仮設住宅・80代・女性)
 
◎ボランティアの感想
・地震から2年目3年目になると、ボランティアが減っている。住民さんが取り残されている感覚がある時に、ボランティアが行くことの意味があると思った。何もすることができなかったけど、その時間を作ることができただけで今に意味があるのではないか。昨日のあの1日の時間を作れたということが大事だったんじゃないかなと思った。
・印象に残っているのは足湯の際に涙を流されていたKさん。元々は自分の祖父と同じ年で親近感があり、仲良くなった。「自分が死んで家を建てる場所に墓を建ててもお墓に来てくれる人がいるのかな」という言葉が辛く、祖父が最近体調悪いこともあり、祖父の姿と重なってしまった。またいつ次会えるか分からないし、この方はこの先どうなるのかなとすごく考えてしまった。同じ地区でも再建をほとんど終えている人もいれば、「娘と息子に迷惑かけたくないし」とこれからのことを考えるのが難しい人もいて、改めて復興のフェーズがそれぞれ異なることを強く感じた。
・Mさんの「家で泣いている」というつぶやきは、私の耳の近くに顔を近づけそっと話してくれた言葉です。Mさんは談話室によく来るメンバーの一人でいつも皆さんと仲良くしているイメージでいましたが、実は皆には言えない悲しみを抱えている方だと分かりました。以前にも他複数の仮設住宅で「家では泣いている」というつぶやきを見たことがあります。「実は、、」という話は皆が近くにいる談話では話せないことだからこそ、一対一で話せる空間が必然と生まれる足湯には意味がある寄り添い方だと実感しました。
 
やさしや足湯隊の活動に応援してくださっている皆様、いつもありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。
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NO.0068556 名義:ヒサイチNGOキョウドウセンター*お手数ですが、備考欄に「2024年能登半島」と記入して下さい。
 
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投稿日:2025年09月26日