令和6年(2024年)能登半島地震救援ニュースNo.151
やさしや足湯隊レポート No.30
第38次足湯隊の活動報告です。今回は2026年2月6日(金)から2月9日(月)の4日間、スタッフ3名・ボランティア2名で活動しました。
今回訪れた宅田第一仮設住宅には、西保地区から避難されている方が多く暮らしておられます。
家に気軽に戻れない不安、復興住宅の見通しが立たない焦り、そして日々の暮らしを支える小さな楽しみや人とのつながり。
足湯の場には、そんな“今の能登”が静かに、しかし確かに流れていました。
◎ 足湯で聴こえてきた「つぶやき」
「暮らし」
- 猫(ペット)がおるから仮設におっても癒されて励みになるよ。冬場は草履を二足ずつ編んで、退屈せんようにしとる。
でも糖尿病のおばあさん猫を置いて集会所に行くのは心配でねぇ。訪ねてくれて話せて嬉しいわあ。また来てね。(80代女性) - 息子が障害者でねぇ。仮設では一緒に住めんのよ。施設に入っとるけど、心配で心配で。(40代女性)
- こんなして毎日卓球して集まるのが楽しい。ここで仲良くなった人もおるし、毎日笑えとることに感謝しとる。家では編み物しとる人も多いよ。(70代女性)
- 「卓球お上手ですね」と言われても、これ以外することがないからよー。雪がひどくて帰れんし。(80代女性)
「家・これから」
- 家に戻って生活したいけど、家までの道が怖くて帰られん。復興住宅に入るか、家に戻るか、決めきれんのや。(80代女性)
- 家もなんもない。更地や。
公営住宅ができるのは2年後やって。2年後、自分がどうなっとるか分からん。仮設も延長が1年決まったよ。(80代男性) - 俺は大工やから、地震後すぐに自分で家の傷んどるとこ直してしもうた。写真撮らんかったから罹災証明の判定が下で、後悔しとる。(80代男性)
「地域・文化」
- 大沢の土と、ここ(宅田第一仮設の横の畑)の土は全然違う。大沢の方が美味しいよ。
あんた、大沢に泳ぎにきい。あわびもとれるよ。名刺、大事にとってるよ。(80代男性)
◎ ボランティアの感想
- ペットや介護の事情で集会所に来られない方が多く、こちらから訪ねていくことで初めて話せる人がいると感じた。家財搬出で出た端切れや着物を少しずつ届けることで、自然に会話が生まれるのも大切なつながりだと思った。
- チラシを手渡しで配ってお誘いしたことで、参加者が増えた実感があった。卓球で毎日あんなに盛り上がっていて、一緒に体を動かすことで笑顔が増える素晴らしい空間だった。
同じメンバーだけでなく、卓球交流ボランティアのような形があれば、主婦層や60代女性など「興味はあるけど一歩が踏み出せない」人の参加のきっかけにもなるのではと感じた。 - 震災で、大沢から宅田第一仮設へ。場所が変われば、土も気候も全部変わる。
「畑ならどこでもできる」という話ではなく、長年その土地で暮らしてきた人にとって、場所が変わることの重さを改めて感じた。 - 障害のある家族を抱える方の話を聞き、災害時にどれだけ配慮が行き届くかが命に関わると痛感した。
災害関連死を防ぐためにも、足湯のように“話せる場”をつくることはとても大切だと思った。 - 大沢地区の方々は「家に帰れない」ことへの不安を強く抱えていた。道の復旧や復興住宅の整備がどれだけ早く進むかが、暮らしの再建に直結している。
だからこそ、不安や不満を溜め込まないように、話を聴く存在であり続けたい。
◎ おわりに
今回の足湯でも、「家に帰れない」「先が見えない」という声が多く聞かれました。
それでも、卓球で笑い合う時間、編み物や草履づくりに没頭する時間、ペットと過ごす穏やかな時間――
日々の小さな営みが、皆さんの心を支えていることを強く感じました。
足湯隊は、これからも“話せる場所”“つながれる時間”を大切にしながら、能登の今と向き合っていきます。





